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2024年11月8日金曜日

第3回鈴木六林男賞は古田 秀さんが受賞

第3回鈴木六林男賞には、合計85編の応募がありました。
これを選考委員(50音順)の岡田耕治、岡田由季、久保純夫、
曾根 毅、津髙里永子、堀田季何の6人で選考を行いました。

その結果、第3回鈴木六林男賞を
「ビバリウム」 古田 秀さんと決定しました。

また、秀逸賞については、
「しづく」 清水縞午さん、
「絶品」  亘 航希さん、
「豆椅子」 平嶋さやかさん、
以上の3人となりました。

詳細については、「第3回鈴木六林男賞作品集」及び
このブログでお知らせいたします。
受賞されたみなさん、誠におめでとうございます。

  2024年11月8日
               鈴木六林男賞委員会

2023年11月8日水曜日

2回受賞作品 渡邉美保 山本半片

第2回鈴木六林男賞受賞作品
水に呼ばれて 渡邉美保

生れたての蠅取蜘蛛の飛ぶ軽さ
団子虫踏めば蟻来て運び行く
知らぬ間に金属片になる蜥蜴
包帯を浸す晩夏の洗面器
水底の水に呼ばるる八月よ
幽冥へカサブランカを抱いてゆく
海に落ち花火つめたく広がれり
波音に急かされてゐる盆用意
白芙蓉子は一泊で帰りけり
桃投げて手応へのなき美少年
深海の目のなき魚に秋のこゑ
檸檬切る魚は切身で売られけり
吊橋の半ばに鶫見失ふ
川幅の狭きへ消ゆる白鶺鴒
闇の中鹿が鉄路を舐めに来る
剝き出しの鉄骨匂ふ十三夜
土壁の崩るるままに葛の花
竹の春土塊ざくと掘り起こす
切株に年輪母に笑ひ皺
綿虫になるのを待ってゐる媼

◆
第2回鈴木六林男賞受賞作品
噴射 山本半片

春愁ひフランケンシュタインの下睫毛
光るもの抱いて海女やひたのぼる
桐咲くや人形の眼の売れぬ夜
朱袴を風に嬲られ祭稚児
修道女(シスター)の愛に肥りて蕃茄かな
運命は鱏の速度で迫り来る
M R I受くや茅の輪を潜るごと
エレベータ眼下に仏遠ざかる
また一人赦されたらし蓮散れり
俳号で呼び合ひ収容所(ラーゲリ)小望月
小春日のトーテムポール歯に木目 
銀の背のゴリラと見上ぐ寒昴
ウチイリと叫んでティムの半被かな
病院の聖樹星にはテープ痕
人事みなおでんで喩え高架下
白犀の尿の噴射や銀河系
色はみな重力みやこどりふはり
寒気痼る陶の兵士の耳穴に
水仙花鈍感なふり馬鹿のふり
尾鰭上げ二月はチョコレートの鯨

以上

第2回鈴木六林男賞 決定

第2回鈴木六林男賞には、合計48編の応募がありました。
これを選考委員(50音順)の岡田耕治、岡田由季、久保純夫、
曾根 毅、津髙里永子、堀田季何の6人で選考を行いました。

その結果、第2回鈴木六林男賞を
「水に呼ばれて」 渡邉 美保さん、
「噴射 」山本 半片さんの2人受賞となりました。

また、秀逸賞については、
「kaiwai 」花尻 万博さん、
「川はどこまでも」 夏 礼子さん、
「ボディ」 佐藤 日田路さん、
「眼球史」 龍田 山門さん、
「使徒」 植田 也風さん、
以上の5人となりました。

詳細については、「第2回鈴木六林男賞作品集」及び
このブログでお知らせいたします。
受賞されたみなさん、誠におめでとうございます。

  2023年11月8日
               鈴木六林男賞委員会

2023年7月14日金曜日

第1回 鈴木六林男賞作品 木村オサム

   πr²×h÷3

                 木村オサム

鳥一羽分の円錐青葉風
円錐のやさしく崩れ月見草
蟻の巣に円錐だけを貯める部屋
円錐の中心に浮く青葡萄
永遠に円錐上のかたつむり
円錐になった息子へ水を打つ
こうもりの乱舞円錐降り注ぐ
円錐の屍のごとかき氷
日盛の大円錐を手の登る
円錐のツボ押さえたら湧く泉
夏痩せの腹に円錐だけ溜まる
円錐の深い昼寝を見てをりぬ
一ヶ月かけて円錐になる避暑
円錐の抜けたるからだ夏の風邪
雲の峰円錐はほぼ未来形
炎天の僧に円錐置く遊び
円錐に目の現るる原爆忌
眉間から円錐出でて薔薇世界
滝浴びて円錐形の友来たる
円錐の輪切り並べてゆく晩夏

第1回 鈴木六林男賞作品 玉記 玉

   錯覚

               玉記 玉


春はあけぼのダリの時間がトラウマ
憂鬱のポケット君はチューリップ
猫の子と半端な出会いして飼いぬ
光にも厚みありけり桜貝
シャガールとなれる錯覚夏は夜
ネオンテトラよ地下街は即興詩
箱庭に水の種類がふたつある
蛇苺枕草子にて飼われ
夕焼と書き夕焼が好きになる
秋は夕暮れ円相の起筆
川上に秋顳顬に兄が来る
触れて聴く石の言葉のつゆけしや
塩分が足りぬ八月十五日
延延と林檎と言葉齧りおり
赤い音して椿の実落ちにけり
冬はつとめて若冲の鶏冠
生命の木は赫し冬帝降りるには
蓋のない箱がきれいよ神の留守
チャプリンに天然色の寒卵
スタンディングオベーション既に凍滝